インドが中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル・ルピー(e₹)の国境を越えた採用を積極的に推進している背景には、経済効率性の向上、ルピーの国際化、そして地政学的戦略がある。現在、世界の国境を越える取引は、遅く費用のかかるコルレス銀行システムに大きく依存しており、多くの場合、米ドルで決済されている。
1. 送金コストと摩擦の低減:
インドは世界最大の送金受取国である。e₹は、従来の仲介業者を迂回し、最小限のコストで即時かつ24時間365日の決済を提供する可能性を秘めている。この効率化は、在外インド人コミュニティと国内経済にとって極めて重要である。
2. ルピーの国際化の促進:
e₹を国際貿易決済の仕組みとして提供することで、インド準備銀行(RBI)は、中間的な外貨への依存(脱ドル化)を減らすことを目指している。e₹で直接貿易を決済することにより、為替リスクと、インド企業に関連するヘッジングコストが最小限に抑えられ、これによりインド通貨の世界的な受け入れと使用が加速する。
3. 貿易効率の向上:
e₹を国際化することで、特別ルピー・ボストロ口座(SRVA)を通じて確立されたものなど、二国間貿易協定が合理化される。デジタル通貨インフラは、大量の貿易回廊に必要な迅速で監査可能、かつ安全な送金を保証し、ビジネスの容易性を大幅に向上させる。
4. マルチCBDCプラットフォームへの戦略的参加:
国境を越えた普及への準備は、インドが国際決済銀行(BIS)などの国際機関が主導するマルチCBDC(mCBDC)プロジェクトに参加するための基礎となる。これらのプラットフォームは、複数の中央銀行のための共有インフラを構築し、SWIFTのような従来のグローバル決済レールに代わる、強靭で自律的な代替手段を提供する。この戦略的動きは、インドを世界の金融イノベーションと連携させ、その金融上の自律性を高める。
Source: Why India wants the e-rupee to move beyond borders



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